退避勧告
NGOのベテランて感じの白髪のおじさんがテレビで言っていたが、退避勧告はビジネスマンと観光客向けのものと理解している、だって。
なるほど、記者とNGOは危険なところに行ってなんぼ、というか、危険なところにこそ必要としている人がいるものだからね。記者として、戦場で何が行われているか世界に発信することは大切なことだし、戦争で傷ついた人たちを助けられるのも、武装せず国の機関ではないNGOにしかできない時もある。もちろん、危険なところへ敢えて行くのだから、自分の命を守るのも、守りきれなくても自己責任なのは当然。
危険なところへ自殺しに行くわけではないから、危険度の見極めをできるだけ正確に行う必要があるのだが、時に判断を誤ったり予想外のことが起こる事はあるだろう。今回、人質にされるような事態が起こってしまったが、結果だけからは判断が間違っていたとは言えないと思う。予見可能だったかどうか、だね。もちろん、退避勧告が出てるかどうかは、行くか行かないかの判断材料には含まれない。
祖国の助けが必要になった場合、自己責任ではあっても、国として、できるだけのことをして助けようとするだろう。ただし、犯人から応えられない要求をされたら断るしかない。自衛隊撤退が応えられない要求かどうかはここでは触れないでおく。
さて、救出に掛かった費用を、すべて国が負担する事を良しとするかしないかは、ひとえに、国民が彼らの事を誇りと思えるかどうか、だよね。彼らの行動に感動できるかどうか。「自己責任」の範囲を、自分の命までとするか、人質になって救出されたときの帰りのキャーター便代の負担までとするか、掛かった総額 (数千万〜数十億?払えないが) とするか、その誇りと感動に反比例するわけだ。
アメリカ人が、日本政府が費用の一部を被害者に請求した事に驚くのは、危険なところに入る記者やNGOの存在を誇りに思っているからだろうね。日本でも、NGOの活動そのものに関しては国も補助金を出してるのだが。
人質3人の評判が良くないのは、家族の行動が大きいと思う。犯行グループの要求が自衛隊撤退だったことから、そもそも事件が起きたのは自衛隊派遣に原因があるとして、政府を責め撤退を求めたのはいけなかった。自衛隊が派遣される前からずっと居続けていたなら、派遣で日本人がテロの対象になったと政府を責める事はできるかも知れないが、自衛隊が派遣された状態でイラクに入った (入り直した) のだから、自衛隊派遣が原因の危険も考慮した上で入っているはず。悪いのはまず犯人なのに、家族が日本政府の責任に摺り替えたことで、逆に、行った被害者が悪いという反論を誘ってしまったのではないだろうか。
しかし、犯行グループの声明によれば、高遠さんのボランティアの実績と、家族の犯人に対しての訴えかけと、支援者たちの自衛隊撤退を求めるデモの映像を見て、日本政府と日本国民は違うと解釈し解放に繋がったわけで、家族が政府と対立したことが3人の命を救ったのかも知れない。政府は怒って費用請求してくるし、世間の評判が悪くなったけれど。

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